プロジェクト管理入門|全10章44ページ
はじめて案件を任された人のための、プロジェクト管理のチュートリアルです。兼任で回している人、権限がないのに進めろと言われている人を前提に書いています。どのページからでも読めるように、前提となる言葉にはすべてリンクを張ってあります。
全10章の地図
第1章 はじめに
プロジェクトとは何か、なぜ管理が要るのか。用語より先に、この仕事の輪郭をつかむ章です。
- 1.0 プロジェクト管理とは —— 道具の話を外して、この仕事の中心が何かを説明します。
- 1.1 プロジェクトの定義 —— 始まりと終わりを、決裁と検収で捉え直します。
- 1.2 なぜ管理が必要か —— 管理しないと何が起きるかを、手戻りの費用で見ます。
- 1.3 定常業務との違い —— 兼任のとき、なぜ案件のほうが後回しになるのか。
第2章 プロジェクトの進み方
立ち上げ・計画・実行・終結という4つの区間。それぞれの区間で何が問われるかを扱います。
- 2.0 プロジェクトの進み方 —— 4つの区間の全体像と、区間が変わる合図。
- 2.1 立ち上げ —— 終わりの姿を1枚書くところから始めます。
- 2.2 計画 —— WBSの切り方と、2〜3日という粒度の理由。
- 2.3 実行 —— 計画どおりに進まない前提で、どう回すか。
- 2.4 終結 —— 納品した日から本当に終わった日までに残る5つ。
第3章 計画の立て方
範囲・日程・人・リスクの4つ。計画は当てるためではなく、ずれに早く気づくために作ります。
- 3.0 計画の基本 —— 4つの要素が、どこでつながっているか。
- 3.1 スコープの決め方 —— やることより、やらないことを書くほうが効きます。
- 3.2 スケジュールの立て方 —— 工数ではなく、待ち時間が期間を決めます。
- 3.3 体制と要員 —— 兼任の稼働率を、正直な数字で置く方法。
- 3.4 リスクの扱い方 —— 「かもしれない」を、着手前に書き出しておく。
第4章 チームと関係者
権限がないまま人を動かす、という日本の現場でいちばん多い条件を前提に書いています。
- 4.0 チームと関係者 —— 誰が何を決めるのかを、先に並べておく。
- 4.1 チームのつくり方 —— 役割と責任の線を、あいまいにしないための書き方。
- 4.2 関係者との付き合い方 —— 決める人を、途中から巻き込んでおく方法。
- 4.3 伝え方の設計 —— 誰に、何を、どの頻度で伝えるかを決めておく。
第5章 道具と手法
ガントチャート、カンバン、バックログ。どれが良いかではなく、案件の条件で選び分けます。
- 5.0 道具の選び方 —— 道具を入れる前に決めておくべきこと。
- 5.1 ガントチャートの使い方 —— 線がつながっていないガントは、ただの棒グラフです。
- 5.2 カンバンボードの使い方 —— 効くのは列ではなく、作業中の枚数の上限です。
- 5.3 バックログの使い方 —— 1本にすること、順番をつけること。
- 5.4 アジャイルとウォーターフォール —— 国内では、契約形態が選択を決めています。
- 5.5 タスク管理ツールの選び方 —— 道具より、書く場所が1つに決まっていることが効きます。
第6章 進捗の追い方
「進捗90%」が3か月続く仕組みと、そこから抜けるための測り方を扱います。
- 6.0 進捗の追い方 —— 見るべきものと、見なくていいもの。
- 6.1 成果物の確認 —— 自己申告の割合ではなく、終わったものの数で見る。
- 6.2 課題と変更の管理 —— 言いにくいことを、言える形にしておく仕組み。
- 6.3 報告の書き方 —— 週報に数字だけでなく、判断が要ることを書く。
第7章 プロジェクトの終わらせ方
終結は必ず飛ばされます。今日は誰も困らないからです。そのつけは次の案件が払います。
- 7.0 プロジェクトの終わらせ方 —— 終結が飛ばされるのは、意志ではなく構造の問題です。
- 7.1 引き渡し —— 引き継ぎが終わったと言える、本当の合図。
- 7.2 ふりかえり —— 反省会にしないための、具体的な進め方。
- 7.3 知識の引き継ぎ —— 半年後に読み返せる形で書いておく方法。
第8章 事例から学ぶ
うまくいった案件と崩れた案件では、起きたトラブルはほぼ同じでした。差は時間に出ます。
- 8.0 事例から学ぶ —— 同じ出来事でも、結果が変わるのはどこか。
- 8.1 うまくいった案件 —— 共通していたのは、週1時間の地味な型でした。
- 8.2 崩れた案件 —— 報告が緑のまま、ある日いきなり赤になる理由。
第9章 よくある質問
順番に読まなくても答えが分かるように置いた寄り道です。いま困っているほうから開いてください。
- 9.0 よくある質問 —— この章の使い方。
- 9.1 はじめての人の質問 —— 最初の3か月で出てくる8つに、理由つきで答えます。
- 9.2 現場の工夫 —— 明日から差し込める、1日10分の7つ。
第10章 まとめと次の一歩
読み終えたあと、何をするか。続けて伸ばす、資格、役割を広げるの3つです。
- 10.0 まとめと次の一歩 —— 10章で言ってきたことは、3つに収まります。
- 10.1 続けて伸ばす —— 1件ごとに1つだけ変える、という回し方。
- 10.2 資格 —— IPA・PMP・P2Mを、目的から選び分けます。
- 10.3 役割を広げる —— PM経験が、そのまま効く3つの方向。
用語集
プロジェクト管理の用語集(57語)
教科書の定義ではなく、現場で実際に使われている意味でまとめています。基本の言葉/計画・時間・お金/人と体制/進行と統制/進め方と道具/現場でよく聞く言葉の6つに分けてあります。各ページの「くわしく →」からも飛べます。
この教材の書き方について
- 前提の明示 —— 数人から十数人、半年から1年、兼任の担当者がいる案件を想定しています。数百人規模や法規制の絡む案件には、別途必要になる仕組みがあります。
- 数字の扱い —— 合格率や費用などの数値は、出典と時点を明記しています。一次資料で確認できなかった数字は、広く出回っているものでも載せていません。
- 事例の扱い —— 第8章の事例は、実在の特定企業の案件ではなく、国内でよく見る形をまとめた合成の事例です。
- どこからでも読める —— 各ページは、前の章を読んでいない人が開いても意味が通るように書いています。前提となる概念にはリンクを張ってあります。
この教材とABについて
各ページの最後に「ABではこう見えます」という節があります。ここでは、その章の内容をAB Projectsで実際にどう扱うかを説明しています。
道具の宣伝というより、手法を実際の画面に落とすとどうなるかの例として読んでいただければと思います。他の道具をお使いの場合でも、置き場所の考え方はそのまま使えます。