3.0 プロジェクト計画の基礎
プロジェクトの成功は、計画の良し悪しで8割が決まる——。
これは決して大げさな表現ではありません。実行フェーズでの混乱や納期遅延の多くは、計画段階での「曖昧さ」や「漏れ」に起因しています。
この章では、プロジェクトを進めるうえで欠かせない計画の4つの柱を丁寧に見ていきます。
それぞれが独立しているようで、実は密接に関わりあっており、ひとつの判断が他の領域にも影響を及ぼします。
この章で取り上げる4つの重要テーマ
- 3.1 スコープの定義:「やること」と「やらないこと」を明確にし、プロジェクトの守備範囲をはっきりさせます。
- 3.2 スケジュール作成:作業の流れと順序を整理し、現実的なタイムラインを組み立てます。
- 3.3 リソースの割り当て:人・時間・コストなどの資源を適切に配置し、実行可能な体制を構築します。
- 3.4 リスク管理計画:起こりうる問題をあらかじめ見つけ、先手を打って備える力を養います。
これらをきちんと設計することで、プロジェクト全体のブレが減り、チームは安心して前に進むことができます。
言い換えれば、これらの4本柱こそが「迷わず判断できる設計図」になるのです。
それではまず、「3.1 スコープの定義」から見ていきましょう。