6.3 週報の書き方|4行で足りる進捗報告

6.3 週報の書き方|4行で足りる進捗報告

第6章 6.3 ← 6.0 進捗の追い方

週報は、4行で足ります

報告資料を作るのに毎週2時間かけているなら、そのほとんどは無駄になっています。読む人が知りたいことは、実は2つしかありません。間に合うのか。自分は何を決めればいいのか。この2つに答える4行を、早く出すほうがずっと効きます。

はじめてこのページに来た方へ このページは全10章のチュートリアルの6.3です。誰に何を伝えるかの設計は4.3、進捗の測り方は6.1で扱っています。専門用語はすべてページ下部で説明しています。

この記事の要点

  • 週報は4行で足ります。状況/終わったもの/気にしていること/決めてほしいこと。
  • 1行目に結論を置いてください。「間に合うか」への答えが先頭にあると、読まれます。
  • 悪い知らせは、事実・影響の大きさ・次にいつ言うか、の3点セットで書きます。
  • 「特になし」を続けたあとの「実は遅れていて」は、遅れそのものより重く受け取られます。
  • 報告のために集計する作業が発生する仕組みは、いずれ続かなくなります。

週報の型

形が決まっていると、書く側は迷わず、読む側は探さずに済みます。次の4行を、毎週同じ順番で。

4行で書いた週報の例と、それぞれの行の役割 週報は4行です。1行目は状況で、まず結論として「間に合うか」への答えを先頭に置きます。2行目は今週終わったもので、進捗率ではなく終わったものを事実として書きます。3行目は気にしていることで、早く小さく、影響の大きさも一緒に書きます。4行目は決めていただきたいことで、期限つきの2択にすると、その場で決まります。 勤怠システム導入 週報(2月14日) 状況 3月末の稼働は、現時点で見通しどおりです。 今週終わったもの 勤務ルールの確定(承認済み)、移行方式の決定 気にしていること 先方のデータ確認が3日遅れています。稼働日への 影響は現時点でありません。 決めていただきたいこと 移行範囲:A案(3年分)/B案(全期間) 2月20日まで まず結論。 「間に合うか」への答えを先頭に 事実だけ。 進捗率ではなく、終わったもの 早く、小さく。 影響の大きさも一緒に書く 期限つきで。 2択にすると、その場で決まります 「特になし」と書き続けた報告のあとに来る「実は遅れていて」は、遅れよりも重く受け取られます。 4行だけです。読む人が知りたいのは「間に合うか」と「自分は何を決めればいいか」の2つで、 それが1行目と4行目にあります。真ん中の2行は、その2つを裏づけるための事実です。
左が実際の報告、右がそれぞれの行の役割です。1行目と4行目が本体で、真ん中の2行は裏づけです。この順番が大事で、結論を最後に置くと、そこまで読まれません。

結論を、先頭に置く

日本のビジネス文書は、背景から書き始める書き方が身についている方が多いと思います。報告に関しては、この順番を逆にしてください。

読む人が最初に知りたいのは「間に合うのか」です。それが3行目にあると、そこまで読まれるとは限りません。1行目にあれば、確実に伝わります。そして1行目の答えがはっきりしていると、残りは読まれても読まれなくても構いません

1行目の書き方は3種類だけです。「見通しどおりです」「◯日ほど遅れていますが、稼働日への影響はありません」「稼働日が◯日動く見込みです」。この3つのどれかを、毎週選んで書きます。

悪い知らせは、3点セットで

3行目——気にしていること——が、この報告のいちばん重要な部分です。ここが機能していれば、そのプロジェクトはかなり健全です。

書き方は決まっています。事実 → 影響の大きさ → いつ次に言うか。

「先方のデータ確認が3日遅れています。稼働日への影響は現時点でありません。取り戻す手を打っていて、来週の報告でまた状況をお伝えします。」

この形にすると、追加の質問が出ません。知りたいことが全部書いてあるからです。「遅れています」だけだと、「どのくらい」「間に合うのか」「どうするのか」と3往復し、そのあいだに話が大きくなります。

そして何より、早いことです。三日の遅れを三日目に書けば情報ですが、一か月黙ってから書くと事件になります。中身は同じでも、受け取られ方が変わります。

「特になし」を続けないでください

3行目に毎週「特になし」と書いていると、その報告は読まれなくなります。そして、いざ本当に書いたときに驚かれます。実際には、気にしていることが何もない週はほとんどありません。小さくても書いてください。「先方の担当者が来週不在です」程度で構いません。書き続けていると、この欄が読まれる欄になります。読まれる欄があることが、悪い知らせを出せる状態そのものです。

決めてほしいことは、期限つきの2択で

4行目には、相手に判断してもらう必要があることを書きます。4.1で書いたとおり、「どうしましょうか」ではなく2択にします。そして期限を書きます

期限がないと、判断は後回しになります。相手が悪いのではなく、期限のない依頼は優先度がつけられないからです。「2月20日までにご判断いただけると、移行テストに間に合います」まで書いてあれば、相手は自分の予定に組み込めます。

決めてほしいことがない週は、この行は「特にありません」で構いません。1行目や3行目と違って、ここは空でも問題ないところです。

相手によって、量を変える

4.3で書いたとおり、相手によって知りたいことが違います。同じ4行でも、量は変えます。

  • 決裁者へ: 月1回、この4行そのまま。それ以上は要りません。
  • 発注元の担当者へ: 週1回、4行+定例で補足。細かい経緯はここで話します。
  • チームへ: 報告ではなく、ボードを一緒に見る10分。文書は要りません。

全員に同じものを送るのは、伝えたことにはなりません。読まれない資料は、送っていないのと同じです。

報告のための作業を、増やさない

週報を書くために2時間かかるなら、その仕組みは続きません。忙しくなれば真っ先に落ちますし、落ちた週にかぎって書くべきことがあります。

目安は15分です。それ以上かかるなら、原因は文章ではなく、材料を集める工程にあります。進捗を各担当者に聞いて回り、Excelを開いて集計し、資料に貼る——この工程が入っていると15分では終わりません。

ボードが最新であれば、報告は現状を読むだけで書けます。5.5で書いた「更新する人にとって得か」は、ここに効いてきます。担当者が自分のために更新している状態なら、報告のための集計はゼロになります。

ABではこう見えます

AB Projectsでは、今週完了したタスクの一覧と、動いていない課題の一覧が、そのまま週報の2行目と3行目の材料になります。集計する作業が要りません。

4行目の「決めてほしいこと」は、課題として登録して決裁者を担当にしておくと、報告に書くだけでなく期日つきで残ります。報告の中だけに書いた依頼は、報告が読まれなければ存在しないのと同じです。

このページで使った言葉

週報
週に一度の進捗報告です。状況・終わったもの・気にしていること・決めてほしいことの4行で足ります。くわしく →
エスカレーション
自分の権限で決められないことを、決められる人に上げることです。4行目が、その入口になります。くわしく →
議事録
打ち合わせの記録ですが、日本の実務では合意の範囲を確定する文書です。報告とは役割が違います。くわしく →
定例
決まって開かれる打ち合わせです。週報と組み合わせると、書ききれない経緯をここで補えます。くわしく →
課題
すでに起きていて、対処しないと進まない事柄です。3行目と4行目の材料になります。くわしく →
責任者/スポンサー
予算を持ち、現場では決められないことを決める立場の人です。この人向けの報告は3〜4行で足ります。くわしく →

4.3 伝え方の設計

相手ごとに、何をどの頻度で伝えるかの設計。

7.0 プロジェクトの終わらせ方

最後の報告のあとに、まだ残っていること。

9.2 実務のコツ

悪い知らせを早く出す習慣が、なぜ効くのか。


公開日: 2025-01-10 最終更新日: 2026-07-28

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