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よく聞かれることに、先に答えておきます
ここまでの8章は、順番に読む前提で書いてきました。この章はその外側にある寄り道です。いま困っていることの答えだけ、すぐに欲しい——そういうときのために、質問と短い答えを並べています。
なぜ、この章を置いたか
プロジェクト管理の解説は、たいてい「正しい順番」で書かれています。立ち上げがあって、計画があって、実行があって……という流れです。この教材も8章まではその形をとっています。
ですが、実際に読む人は正しい順番の途中にいるわけではありません。だいたいは、もう始まってしまった案件を抱えていて、明日の会議が近くて、いま目の前にある1つのことに困っています。
そういうときに、第3章から順に読み直してくださいと言うのは不親切です。だから、よく聞かれることを質問の形で並べ、短い答えと、詳しく書いてある場所へのリンクを置きました。
質問の多くは、知識の問題ではありません
この教材を書くにあたって、実際によく出る質問を集めてみました。すると、ほとんどが同じ形をしていることに気づきます。
「どこまで細かく計画を書けばいいですか」「進捗をどう管理すればいいですか」「追加の依頼を断れません」。これらは知識を聞いているように見えて、実は決めていないことを聞いているのです。どこまで細かく書くかは、誰が何のために見るかを決めれば決まります。断れないのは、断り方を知らないのではなく、やらないことを決めていないからです。
だから9.1の答えは、たいてい「◯◯を先に決めてください」という形になります。地味ですが、これが一番早く効きます。
使い方
- いま困っていることがある人は、9.1の見出しをざっと眺めて、近いものを1つ開いてください。
- 特に困ってはいないが、少し良くしたい人は、9.2から1つだけ選んで明日やってみてください。
- これから任される人は、9.1を先に読んでおくと、最初の1か月の消耗がかなり減ります。
ABではこう見えます
この章で出てくる工夫の多くは、書く場所が決まっていると自然に定着します。AB Projectsのように、決まったこと・担当・期日を同じ画面に置ける道具があれば、「あとで書こう」と思って忘れる分がなくなります。
逆に言えば、道具がない状態でこの章の工夫を全部やろうとすると、記憶と気合いに頼ることになります。それは長続きしません。
このページで使った言葉
- 範囲
- やること、やらないことの線引きです。9.1の質問の多くは、ここが決まっていないことから出てきます。くわしく →
- 進捗
- どこまで進んだかです。割合ではなく終わったものの数で見るのが基本です。くわしく →
- 兼任
- 本業を持ったまま別の役割も担うことです。この章は兼任の人を前提に書いています。くわしく →
- 関係者
- プロジェクトの結果に影響を受ける人、または影響を与えられる人です。質問の相手はたいていこの中にいます。くわしく →