RAGで業務AIを強化する方法とは?|LLM入門:検索と統合の仕組みを解説

生成AIの登場により、私たちは「AIに聞けば答えてくれる」という未来に一歩足を踏み入れました。 ChatGPTやClaudeといった大規模言語モデル(LLM)は、人間の質問に自然な言葉で答え、要約や翻訳、企画案の生成までこなします。 しかし、実際の業務にそのまま導入しようとすると、すぐに気づくはずです── 「うちの会社の情報が入っていない」という問題に。
社内のナレッジ、製品マニュアル、規約文書、FAQなど、「生成のベースとなる情報」は各組織ごとに異なります。 インターネット上の一般的な知識をベースにするだけでは、業務で本当に使えるAIは実現できません。
この問題を解決する鍵が、本書のテーマである RAG(Retrieval-Augmented Generation) です。
RAGは、大規模言語モデルに「自分の会社の知識」「自分の業務の文脈」を与えるための設計思想であり、実装パターンです。 検索(Retrieval)と生成(Generation)を組み合わせることで、既存のLLMを"自社仕様のAI"に変えることができるのです。
本書では、RAGの基本的な仕組みから、どのように構築し、どんな業務に活かせるのかを、できるだけわかりやすく解説します。 特別な機械学習の知識がなくても読めるように設計しており、技術者だけでなく、企画・経営サイドの方にも読んでいただける内容となっています。
業務の中にAIを本当に根付かせるには、「生成の前に、何を渡すか」という設計が不可欠です。
RAGを通して、"自社の知識を活かすAI"への第一歩を踏み出しましょう。
本書は、全7章構成でRAGの概念から活用方法までを順に解説していきます。
それではまず、第1章「なぜ今RAGなのか?」から見ていきましょう。
目次
第1章 なぜ今RAGなのか?
第2章 RAGの全体像
第3章 RAGのユースケースと導入効果
第4章 RAGに必要な技術コンポーネント
第5章 主要ツール・サービスの選び方
第6章 設計の現場:プロンプトと文脈の設計
第7章 RAGの限界と、これから
終章 検索と生成をつなぐ設計者へ

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。カテゴリー
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チーム

任 弘毅
株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。