1.0 LLM入門 - 大規模言語モデルの仕組みと数学的アプローチの解説

1.0 なぜLLM理解に数学が必要なのか
「高校・大学で学んだ数学を、AI時代に合わせて再起動」
大規模言語モデル(LLM)は、チャットボットや翻訳、自動要約、創作支援、さらにはコード生成まで、私たちの生活やビジネスを大きく変え続けています。しかし、その内部で何が起きているのかを理解するには、確率や行列、ベクトル、勾配といった数学的な道具なしには語れません。
本章は、数学が苦手な方でも安心して読めるよう、以下のポイントを意識してまとめました。
- 見慣れたツールをAI視点で再発見
- 確率:次の単語がどれだけ「起こりやすいか」
- エントロピー:どれだけ「驚き」や「情報量」があるか
- ベクトル&距離:単語同士の「似ている/異なる」を数値化 - わかりやすい言葉と図解
数式は最小限に、でも「なぜ必要か」「何を表すか」を丁寧に説明します。 - 身近な例でスケール感を体感
6面サイコロの確率(1/6)を思い出せば、LLMの「数万~数十万選択肢から1つを選ぶ」ロジックがすっと腑に落ちます。
この章で扱うテーマ:
- 1.1 数式に慣れる:∑、P(A|B)、E[x]など、その意味を読み解く力を養います。
- 1.2 確率論の基礎と直感:サイコロやくじ引きから、言語モデルの「次の単語予測」に確率をどう使うかを学びます。
- 1.3 情報量とエントロピー:よくある/めったにない出来事をどう数値化するかを理解します。
- 1.4 線形代数の感覚:単語を“点”として捉え、ベクトルや内積で意味を表す発想を掴みます。
この章のゴールは、「難しい数式を扱う」ことではありません。
「その記号が何を意味し、なぜ使うのか」を直感的に理解し、LLMの仕組みを深く味わうことです。

LLM入門:数学で理解する、大規模言語モデルの仕組み: 機械が言葉を理解する数学的な理由 (LLMマスターシリーズ)
機械が言葉を理解するのは、なぜか?――その“数学的な理由”を、やさしく、でも本質的に解き明かす一冊。ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)が、いかにして自然言語を理解し、生成しているのか?本書はその仕組みを、数式と直感をバランスよく交えて、深く、わかりやすく解説します。
次のセクション:1.1 数式に慣れる:LLM理解のための記号と式の基礎

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。カテゴリー
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任 弘毅
株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。