2.1 Hugging Face Transformersを使ったモデルのファインチューニング|BERTのPython実装例

前のセクション「LLMモデルの微調整(ファインチューニング)」では、ファインチューニングの重要性について解説しました。次は、Hugging FaceのTransformersを使用した具体的なファインチューニング方法を紹介します。
Hugging FaceのTransformersを使ったモデルのファインチューニング
LLM(大規模言語モデル)の性能をさらに向上させるためには、ファインチューニングが重要なプロセスです。Hugging FaceのTransformersライブラリは、簡単にファインチューニングができる人気のツールで、多くの事前学習済みモデルが提供されています。このセクションでは、Hugging FaceのTransformersを使用して、BERTやGPTなどのモデルをファインチューニングする方法を紹介します。
ファインチューニングとは?
ファインチューニングは、事前学習済みモデルを特定のタスクに合わせて再トレーニングするプロセスです。通常、ニュース分類や感情分析などの特定の用途に対して、少量の追加データを使用してモデルを微調整します。これにより、タスクに特化した精度の高いモデルが得られます。
Hugging Face Transformersのインストール
まず、transformers
とdatasets
ライブラリをインストールしましょう。
# transformersとdatasetsのインストール
pip install transformers datasets
BERTモデルのファインチューニング例
ここでは、Hugging FaceのBERTモデルを使ってテキスト分類のファインチューニングを行います。
from transformers import BertForSequenceClassification, Trainer, TrainingArguments
from datasets import load_dataset
# データセットの読み込み
dataset = load_dataset("imdb")
# モデルとトークナイザーの読み込み
model = BertForSequenceClassification.from_pretrained("bert-base-uncased", num_labels=2)
tokenizer = BertForSequenceClassification.from_pretrained("bert-base-uncased")
# データの前処理
def preprocess(data):
return tokenizer(data['text'], truncation=True, padding='max_length')
# データのトークナイズ
train_data = dataset['train'].map(preprocess, batched=True)
test_data = dataset['test'].map(preprocess, batched=True)
# トレーニング設定
training_args = TrainingArguments(
output_dir="./results",
evaluation_strategy="epoch",
learning_rate=2e-5,
per_device_train_batch_size=16,
per_device_eval_batch_size=16,
num_train_epochs=3,
weight_decay=0.01,
)
# トレーナーの作成
trainer = Trainer(
model=model,
args=training_args,
train_dataset=train_data,
eval_dataset=test_data,
)
# トレーニングの実行
trainer.train()
ファインチューニングのポイント
- データセットの選定: タスクに適したデータセットを使用することで、モデルの精度が向上します。
- 学習率の調整: ファインチューニングには低めの学習率(例: 2e-5)が推奨されます。
- エポック数: 過学習を避けるため、エポック数を少なく設定するのが一般的です。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。カテゴリー
タグ
検索履歴
チーム

任 弘毅
株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。