MCP実装の基本設計パターンとは?|MCP入門 第3章|生成AIをプロダクトに組み込むための考え方

第3章 MCP実装の基本設計パターン
ここまで、MCP(Model Context Protocol)の定義、従来のプロンプト設計との違い、状態設計による一貫性の向上、さらにはOpenAI Function Callingのような現代的実装との関係までを見てきました。 第3章では、いよいよその先にある「どう実装すべきか」という実践的な部分を見ていきます。
MCPを設計思想として理解するだけでは、現場で役立つとは限りません。 現実の開発環境では、セッションの切り替え、ユーザーごとの状態保持、外部ツールとの連携など、 さまざまな要素を考慮してMCPをパターン化(=再現性と再利用性を持たせること)する必要があります。
この章では、そうしたMCP設計のパターンを以下の4つに分類し、順に掘り下げていきます。
3.1 システムインストラクションの設計パターン
モデルに「あなたは誰で、どう振る舞うべきか」を定義する部分。それがシステムインストラクションです。 このセクションでは、ロールプレイ、業務指示、人格設計、トーンの調整など、用途に応じた設計パターンを見ていきます。
3.2 コンテキストマネジメント:履歴と外部情報の融合
セッション履歴、外部ベクターストア、ユーザーデータなど、複数の情報源を「意味のある形で文脈に統合」する設計手法を見ていきます。 特にコンテキストの圧縮、要約、再挿入といった技術を見ていきます。
3.3 テンプレートとスロットの設計:柔軟性とセキュリティの両立
プロンプトテンプレートに動的なスロット(穴埋め)を用いることで、柔軟かつ安全に文脈を切り替える技術を見ていきます。 多言語対応、個人設定、セッション分離など、実装に役立つ設計パターンにフォーカスして説明します。
3.4 ユーザー状態とモデル状態の同期管理
ユーザーの行動・意図・履歴と、モデルが持つシステム的状態(立場、タスク進行度など)を同期させるための実装アーキテクチャを見ていきます。 状態設計をミスすると、モデルの応答が破綻する危険性についても深く見ていきます。
次のセクションから、いよいよ具体的な実装設計に入ります。 まずはモデルに「どう振る舞ってほしいか?」を定義するシステムインストラクションの設計パターンから始めましょう。 AIの“人格”を設計するという視点で、プロンプトの核心に迫っていきます。 → 3.1 システムインストラクションの設計パターンへ進む

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。タグ
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任 弘毅
株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。