MCPの拡張と統合とは?|MCP入門 第4章|RAG・マルチモデル・外部ツール連携の設計手法

第4章 MCPの拡張と統合

ここまで、MCP(Model Context Protocol)の基本的な構造と設計パターンについて理解してきました。 第4章では、これらの基礎を土台とし、より実践的かつ高度な応用を行うための拡張と統合の戦略に踏み込んでいきます。

実際のLLM活用現場では、単体のモデルやシンプルな対話だけで完結するケースは少なく、 外部ツールとの連携、複数エージェントの協調、セッションの分離管理、検索との統合といった、 より複雑な要件に対応する設計が求められます。 その中で、MCPは拡張性のある「設計フレームワーク」として再評価されるべきものです。

4.1 RAGとの統合設計

Retrieval-Augmented Generation(RAG)との連携により、LLMがもともと保持していない知識やドキュメントを 文脈として挿入する設計方法を紹介します。コンテキストの外部注入の最前線です。

4.2 複数モデル(Multi-LLM)の使い分け

GPT-4だけでなくClaudeやGeminiなど、複数のLLMを目的別・特性別に使い分けるためのMCP側の設計と分離戦略を扱います。 コスト、速度、能力のバランスをとる上で不可欠な視点です。

4.3 マルチセッションとユーザー管理

一人のユーザーが複数のタスクやプロジェクト、会話スレッドを扱う場合、 それぞれに対応するコンテキストと状態をどう分離・復元・継承するかを設計レベルで捉えます。

4.4 外部ツールとのプロトコル統合

カレンダー、メール、データベース、Slackなど外部ツールと連携することで、 LLMを「文脈に応じて行動するエージェント」として進化させる統合手法を紹介します。


次のセクションでは、まずRAG(検索補助付き生成)とMCPをどう組み合わせ、 モデルの知識補完と文脈一貫性を両立させるかについて、設計の具体例を交えて詳しく見ていきましょう。 → 4.1 RAGとの統合設計へ進む

公開日: 2025-03-17
最終更新日: 2025-05-11
バージョン: 3

下田 昌平

開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。

チーム

任 弘毅

株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平

開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。