自然言語処理(NLP)とは?|LLM入門 2.3|大規模言語モデルがもたらした進化

自然言語処理(NLP: Natural Language Processing)とは、人間が日常的に使う日本語や英語といった自然な言語を、コンピュータが理解・分析・生成できるようにする技術分野です。LINEのメッセージ、メールの自動返信、AIチャットボット、音声認識など、私たちの身の回りの多くにNLPは活用されています。
NLPの代表的なタスク
NLPでは、主に以下のようなタスクが行われています。
タスク名 | 目的 | 例 |
---|---|---|
テキスト分類 | 文書をカテゴリに分類 | レビューをポジティブ・ネガティブに分ける |
品詞タグ付け | 単語ごとの品詞を特定 | "私 / 名詞", "走る / 動詞" |
固有表現抽出 | 人名や地名などの情報抽出 | "Google" → 企業名 |
機械翻訳 | 言語Aを言語Bに翻訳 | "こんにちは" → "Hello" |
要約生成 | 長文を短くまとめる | ニュース記事の要約 |
質問応答 | 質問に対する回答を生成 | "首都は?" → "東京" |
テキスト生成 | 自然な文章を生成 | メール・ストーリー・コードなど |
NLPの進化とLLMの登場
かつてのNLPは、人がルールを定義する「ルールベース」でしたが、やがて機械学習を通じてデータから学ぶアプローチへと変化。そして深層学習の導入により、文脈理解や自然な文章生成の精度が飛躍的に向上しました。
この流れの中で登場したのがLLM(大規模言語モデル)です。従来のようにタスクごとに専用のモデルを作る必要がなくなり、ひとつのモデルであらゆる言語タスクに対応できるようになったのです。
LLMはNLPをどう変えたか?
- 事前学習+少量の調整(ファインチューニング)で多様なタスクに対応
- 翻訳・要約・質問応答・コード生成など、1つのモデルで可能に
- NLPの技術群を統合し、柔軟かつ汎用的に言語を処理するAIが誕生
まとめ
- NLPとは、人間の言語を処理するためのAI技術分野
- ルールベース→機械学習→深層学習→LLMと進化してきた
- LLMはNLPの各タスクを統合し、汎用的な言語AIとして機能
- 文脈理解や自然な対話、翻訳、要約などが高度に実現可能に

LLM入門:数学で理解する、大規模言語モデルの仕組み: 機械が言葉を理解する数学的な理由 (LLMマスターシリーズ)
機械が言葉を理解するのは、なぜか?――その“数学的な理由”を、やさしく、でも本質的に解き明かす一冊。ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)が、いかにして自然言語を理解し、生成しているのか?本書はその仕組みを、数式と直感をバランスよく交えて、深く、わかりやすく解説します。
次のセクション「2.4トランスフォーマーモデルの紹介」では、LLMの中心的技術である「トランスフォーマー構造」について掘り下げていきます。なぜこれがNLPの流れを変えたのかを、仕組みと直感の両面から見ていきましょう。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。カテゴリー
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チーム

任 弘毅
株式会社レシートローラーにて開発とサポートを担当。POSレジやShopifyアプリ開発の経験を活かし、業務のデジタル化を促進。

下田 昌平
開発と設計を担当。1994年からプログラミングを始め、今もなお最新技術への探究心を持ち続けています。